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経営者インタビュー5:株式会社公益社 代表取締役 菅啓三 氏

今年最後の経営者インタビューは、同じ松前町で以前から知り合いでもある菅社長にお話を伺いました。
会社については地元ということもあり、よく知っていますが、経営者である菅社長のこれまでは、知らないことばかりでした。

御社について 創業年 業務内容 特徴など

設立は昭和40年。有限会社伊予公益として、それまで伊予市と松前町を中心に葬祭業を行ってきた3社が一緒になりました。平成5年に株式会社公益社となり、現在は、株式会社公益社、株式会社想心季、株式会社えひめセレモニー、株式会社メモリアル、株式会社十季の5社で月心グループを構成しています。

伊予市、伊予郡、松山市を中心に、冠婚葬祭業、互助会、ギフト関連、貸切・観光バス事業などを行っています。

月心グループHP

 

従業員の人数構成は?

約120名です。

社長ご自身の簡単な経歴について

生まれも育ちも松前です。愛媛県立松山西高等学校では、1期生でした。松山商科大学(現:松山大学)を卒業して、文具メーカーに勤めていました。30代はじめ、地元の幼なじみに再会し、お付き合いが始まりました。結婚を機に菅家に婿養子として入り、始めは先代(義父)のすすめもあり保険会社で営業の仕事をしていました。平成6年4月から公益社に入社し仕事を始めました。

入社して取り組んだこと

入社してからは1年間、本社で現場の葬祭部で仕事をし、その後、営業部門の仕事をしました。同時に、松山の会館、北条の会館の設立にも関わりました。

元々、3社が集まって会社になった経緯もあり、入社した時には情報共有も社内の体制も改善の余地がありました。グループの各社の会員管理の仕組みが違っており、現場で混乱することもありました。それを解決するために会員管理の仕組みを統一しました。他にも、よりお客様のニーズに合う喜ばれるコースを作るなど、やることは満載でした。

また地元の商工組織や経営者の勉強会など、学べる場にも積極的に参加し、自身も勉強をしたり、他の経営者の方の話を聞いたりする機会を持つようにしました。

このように、様々な取り組みをしながら、平成20年に社長に就任し、今に至ります。

人材育成と採用について

入社した頃は、現場の担当者は作業効率や今までの習慣からかジャンパー姿で仕事をしていました。それを会社や業界のイメージを上げるためにもスーツを着てご遺族に応対するようにしました。また、セレモニー(互助会)の女性スタッフのモチベーションを保って仕事をしてもらうために、とにかくスタッフの意見や話をしっかり聴くようにしています。かつては、携帯電話のバッテリーが切れてしまったほど、相手が納得するまで話を聞いていたこともあります。

現在は、いろいろな委員会活動をグループ横断的に行っており、かつて自ら学びの場にも足を運んで勉強していたことも、現在は専務や常務を中心に社員一丸となって進めています。現場で問題が起こったら、社員自らが現場で考え対応できるような問題解決ができる企業を目指していましたが、それを愚直に実践しようとする意識は社員の間に芽生えてきているように感じます。

採用に関しては、なかなか厳しい状況です。弊社が求める人材としては、まずは素直であること。採用後の人材育成は、社内で先輩や上司を中心に丁寧に行っていきます。

今後のビジョン

業界的に、今後20年、仕事は増える傾向にあると思います。ただ人口は少なくなってきており、ライフスタイルも多様化している現在、20年後は今のままの仕事は減ってくることも十分考えられます。今、この先を考えて進む時期だと思っています。

今では合宿で役員会議を行い、専務や常務とこれから先の会社について語り合い、進むべき道について共有しています。

これから先も地域で必要とされる存在として、そして関わるスタッフには「月心で働いてよかった」と思ってもらえるような企業になるように、役員・社員と共に頑張っていきたいと思っています。

インタビューを終えて

これまでも地元の商工会活動や経済懇話会などで存じ上げていた菅社長ですが、きちんと経営や人材育成についてお話を伺うのは初めてでした。

普段はひょうひょうとした様子の菅社長も、今に至るまでには、ご自身の婿養子としての立場、3社が1つになった経緯での会社運営の難しさ、グループ各社の仕組みや商品の違いなどを統一したり、融合をはかったりと、様々な調整に苦労していた様子が伝わってきました。

地元経営者の先輩として、これからも菅さんの姿に学びたいと思いました。ありがとうございました。

 

Posted by 玉野 聖子